Saturday 12 December 2020

日本幽默笑話6則

東 西 南 

奧さんが,子供(こども)を抱(だ)いて,表(おもて)でひなたぼっこをしていますと,道(みち)を通る(とおる)人が,子供を指差し(ゆびさし),「ほんとに,この子(こ)は,東西南(とうざいなん)じゃなあ。」といって通ってゆきました。  

   奧さんは,譽(ほ)められたと思い,嬉(うれ)しそうに家(いえ)に入ると,ご亭主(ていしゅ)に言いました。  

  「のうのう,おまえさん。どこの人か知らないが,この子のことを,東西南じゃと,とても譽めていかれましたぞ。」というと,ご亭主,「風呂(ふろ)にでも入れて,表へつれてでな。東西南とは,北(きた)ないということだぞ。」

 

中譯文:                

 

東西南

 

夫人抱著小孩在外面曬太陽,有一個過路人手指著孩子說道:“這孩子真是東西南啊!”說完就走了。

夫人以爲人家是誇獎孩子,高高興興地回到家對丈夫說:“餵,你瞧啊,有一個不知哪裏的人說這孩子是東西南,特別誇獎他呢。”

丈夫聽了之後說道:“你帶孩子出去時,要先給他洗洗澡啊。所謂東西南,就是沒有北,這是說髒的意思啊。”

(注:在日語中“沒有北”[北(きた)ない]與“髒”[汚い(きたない)]發音相同。)

 

つ も り

あるけちん坊(ぼう)な男がおりました。  

     毎日毎日,ご飯どきになると,うなぎ屋(や)の前へでかけていっては,腹(はら)いっぱい匂い(におい)を嗅ぎ(かぎ),家へ飛んで帰って,ご飯を食べるのでした。  

    それに気がついたうなぎ屋の親父(おやじ)は,「なんちゅうけちだ。よし,あのようなやつから,匂いの嗅ぎ賃(ちん)を取ってやろう。」と,さっそく帳面(ちょうめん)につけておき,月末になると,嗅ぎ賃を取りにやってまいりました。      すると,けちんぼうな男は,「おれは,うなぎ屋に借金(しゃっきん)はないぞ。」  

   「いやいや,これは,かば焼きの嗅ぎ賃でございます。えー,しめて八百文。匂いを嗅いで食べたつもりになっていられますので,こちらも,食わせたつもりで銭(ぜに)を取りに來ました。」  

   うなぎ屋が,すましていうと,男は仕方(しかた)なく,懐(ふことろ)から八百文取り出し,いきなり板(いた)の間(ま)へほうり出しました。  

   チャリン。  

   お金(かね)が,けいきのいい音をたてるのを聞いてから,けちんぼうな男は,「それ,取ったつもりで,銭の音を聞いて,帰(かえ)んな。」

 

中譯文:               

 

只當是……

過去,有一個很吝啬的人。

每天一到吃飯時間,他就到烤鳗魚店的前邊去,足足地聞夠了香味兒,然後就飛快地跑回家,趕緊吃飯。

烤鳗魚店的老板發現了這件事,心裏想:“這個人太吝啬了。好啊,既然他是這樣的家夥,我就去收他的聞味錢。”

于是就馬上記帳,到了月底,就到那個吝啬鬼家裏收錢去了。

吝啬鬼說:“我沒欠烤鳗魚店的錢。”

“不,不,這是烤鳗魚的聞味兒費。共是八百文。因爲您聞了味兒就只當是吃了,所以我們也就只當給您吃了,因此才來收錢。”

烤鳗魚店的老板說得一本正經,吝啬鬼沒辦法,于是從懷中掏出了八百文錢,猛地摔在地板上。

當啷——!

隨著那錢發出一聲清脆響亮的聲音,吝啬鬼大聲說道:“好啦!你就只當是收了錢,聽聽這聲音,就回去吧!”

 

遺言(ゆいごん)

あるところに,たいへんへそまがりな息子(むすこ)がおりました。  

  親父(おやじ)が病気になり,もう死ぬという時に,息子を呼んで,「もはや,わしも,この世(よ)におさらばじゃ。いっておくが,わしが死んでも,必ず(かならず)、葬式(そうしき)などはするなよ。こもに包んで(つつんで),川(かわ)へながせ。」と,心にもないことを言いました。  

  実は,この親父,前前(まえまえ)から,息子のへそまがりぶりを知っていましたから,遺言(ゆいごん)は,反対(はんたい)の事を言っておけば,立派(りっぱ)な葬式をするだろうと思ったのです。  

  ところが,親父の遺言をじっと聞いていた息子,「安心してください。これまで,親(おや)のいうことは,何一つ(なにひとつ),聞かなかったから,せめて,一生(いっしょう)に一度ぐらいは,言われた通りにしましょう。」

 

中譯文:                

 

遺 囑

在一個地方,有一個脾氣很倔的兒子。

父親生病臨死前,將兒子叫到身邊說:“我已經快要告別這個世界了,記住,我死後一定不要舉行葬禮。把屍體卷在草席裏扔到河裏去。”

其實,這些並不是父親的真心話。他早就知道兒子和人做對的怪脾氣,所以想如果在遺囑中說反話,也許能夠使兒子爲他舉行一個隆重的葬禮。

可是,兒子認真地聽了父親的遺囑後說道:“請您放心。以前我沒有聽過父母的一句話。至少,在一生中,我要有一次按照您說的去做。”

 

やぶ醫者

向こうから,お醫者(いしゃ)がやってきました。そこへ店(みせ)の小僧(こぞう)が,かけてきてぶつかり,醫者は,弾み(はずみ)でで転(ころ)んでしまいました。  

 「ああ,危ないではないか,これ。」

  醫者は立ち上がって,小僧の襟首(えりくび)をつかまえ,手をあげて叩(たた)こうとしますと,小僧が,「足で蹴(け)るのは構(かま)いませんが,手でぶつのだけは,ご勘弁(かんべん)ください。」と言います。 

醫者は,可笑(おか)しなことを言うものだと思って,「はて,なぜ,そのようなことを言う?」と聞くと,小僧,「足で蹴られても,命(いのち)はなくなりませんが,お手にかかると,とても助(たす)からないと,もっぱらの評判(ひょうばん)でございますから。」

中譯文:                

 

庸  醫

從對面走來一位醫生,正在這時,店裏的小夥計跑過來撞上了他,醫生一下子被撞倒在地上了。

“啊,這不是太危險了嗎?”

醫生站起來,揪住小夥計的脖頸擡手就要打。小夥計說道:“用腳踢沒有關系。請您饒了我,就是別用手打。”

醫生覺得他說這話很奇怪,就問他:“你爲什麽這麽說話?”小夥計回答說:“挨您腳踢,總不至于丟了性命,人家都說,要是落到您的手裏,那可就沒救了。”

 

表  劄

お盆休み(ぼんやすみ)に帰ってきた者(もの)同士(どうし)は,お喋り(おしゃべり)をしております。  

 一人の男が,「おれのところの主人(しゅじん)ほど,物覚え(ものおぼえ)の悪い主人はいないぞ。」というと,ほかの男,「はて,そりゃあなぜだい。」  

 「うん,いつもいる奉公人(ほうこうにん)の名前を,二度も三度も聞いても,まだ,覚えられねえそうで,紙に書きつけているのだ。」

  すると,そばからほかの男が,「お前のところの主人は,まだよいほうだぞ。おれんとこのだんなは,そんなどころのさわぎじゃねえな。自分の名前を忘れるそうで,板へ書いて,表(おもて)の門(もん)のところに,釘(くぎ)でぶっつけておくんだから……。」

 

中譯文:                

 

銘  牌

盂蘭盆節休假回家的人們正在閑聊。

一個男人說:“沒有比我們那位主人記性更壞的主人啦!”

另一個男人問:“哎,那是爲什麽呢?”

“告訴你啊,長期在他家幹活的夥計的名字,他問了兩三遍好象還記不住,于是就寫在紙上。”

聽了這話,旁邊又有一個男人說道:“你們主人還算好的呢?我們家的老爺,那就更厲害啦。好象是連自己的名字也記不住,于是就寫在一塊木板上,用釘子釘在大門口……。”

 

留  守

「ごめんください。」  

  「誰だ?」  

  「へい,橫町(よこちょう)の米屋(こめや)でございます。お勘定(かんじょう)をいただきにまいりました。」  

  「ああ,米屋か。留守(るす)じゃ。」  

   確かに中から浪人(ろうにん)の聲がします。  

   米屋は,指に唾(つば)をつけ,障子(しょうじ)に孔(あな)を開(あ)けて覗(のぞ)く確かに浪人がこたつにあたっています。  

 「もしもし,留守だとおっしゃいますが,だんなはそこにいるじゃありませんか。」と,障子の孔から覗きながら,米屋がいうと,浪人は「こら,ぶれいものッ!障子になぜ孔を開けた?ここは,かりにもおれの城(しろ)だ。その城に孔を開けるとは,なにごとだ!」  「へへい。これはとんだそそうをいたしました。」  

 米屋は,慌てて紙を取り出し,唾(つばき)でぺたっと貼り付けました。  「はい。元通り(もとどうり)に直しましたが……。」

  すると,中から,「それでは,もう見えぬか?」

「はい,見えませぬ。」

「そんなら,留守じゃ。」

 

中譯文:                

 

不在家

“對不起,有人嗎?”

“誰呀?”

“我是小胡同米店的,來收帳了。”

“啊,是米店的。不在家。”

從裏邊清清楚楚地傳出了浪人的聲音。

米店的人往手指上沾點唾沫,在紙拉門上弄了個洞往裏看去,只見浪人的確正在那裏烤火呢。

“餵,您說不在家,可您不是就在那嗎?”米店的人一邊從紙拉門的小洞往裏看一邊這樣說。浪人嚷道:“嘿!你這無禮的家夥!爲什麽在紙拉門上弄個洞?這裏就如同是我的城堡,在我的城堡上打洞,豈有此理!”

“是,是是!!是我的疏忽。”

米店的人慌忙取出紙條來用唾沫啪地把洞貼上了。

“給您修好了。”

于是,裏邊問:

“那麽,已經看不見了吧?”

“是的,看不見了。”

“既然那樣,不在家。”


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